キムチ鍋つゆ 2005.01/28
 今回は、キムチ鍋つゆ。もちろんヨン様なくしては語れない韓流ブームだが、花より団子の私たちにとって、韓国料理はカプサイシン・野菜たっぷりの魅力的なメニューが多く、特にキムチ鍋はヨン様以上のブームだった。キムチ鍋の事をもっと知りたくてネットのサイトで調べ、図書館で調べ、韓国料理店、ネイティブ韓国のお友達にお聞きした。最後にヤマキのお客様相談室に随分親切な回答を頂き、やっとこのページを作る事が出来た。御世話になった皆様ありがとうございます。
 チゲ=鍋料理の事でキムチチゲがキムチ鍋と同意である事は、広く知られている。ヤマキさんによると、本来の「チゲ」は料理した鍋をテーブルに運び、加熱せず食べるそうだ。テーブルの上のコンロで火にかけながら食べる料理は「チョンゴル」と呼ばれている。日本の鍋料理と一緒。日本のメーカーでは、このチョンゴルの食べ方をキムチ鍋として日本風にアレンジされている。最近では本場韓国でも「チゲ」と「チョンゴル」の違いがなくなりつつあるらしい。
 この冬もスーパーマーケットの鍋エンドでは、ストレートタイプの鍋つゆがボリューム一杯に積み上げられている。中でも、キムチ鍋つゆは華やかな赤色や金色で一際目立つ。でも、値段も内容量もそんなに大きな違いが無く、裏返して説明書きや原材料を見比べてもこれといった個性も無いので選ぶのに迷ってしまった。数種類試食した中から3メーカーの商品を評価した。
商品名 写真 点数 評価 コメント
ヤマキ
キムチ鍋つゆ

(10g4.3円)
希望小売価格
700g 300円
49.7点 味覚 
★★★
ごま油の風味が効いており、複雑な辛口。旨みと辛みの韓国の辛さに慣れてきている若者や大人には本物らしさが感じられる味として好評。
作り方
★★★
材料例には豚肉と牡蠣が同量の250グラムの記載があり、ご馳走感があるし旨みも増す。
汎用例に美味しそうな写真入りで2つの鍋料理の提案があり、作りたくなる。
[原材料名]
 コチュジャン、たん白加水分解物、還元水飴、食塩、魚醤(魚介類)、植物油(ごま油、とうもろこし油)、ビーフエキス、香辛料、醸造酢、にぼし粉末、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、着色料(パプリカ色素、紅麹)香料(原材料の一部に小麦、大豆、さば、ゼラチンを含む)
販促物
★★
HPは内容量と価格のみの表示。商品に関する説明もメニューの提案もなく、さびしいものだった。たくさんの情報を載せられるのが、HPのいいところなのにもったいない。
ダイショー
キムチ鍋スープ
ピリ辛

(10g5.7円)
小売希望価格
615g 350円
51.7点 味覚
★★★
原材料がシンプルでクセのない味。辛いものを食べ慣れていない子供のいる家庭やキムチ鍋入門者には、食べやすい味付け。
作り方
★★
イラストが少々雑。作り方自体が簡単なのだからもう少し工夫して欲しい。
[原材料名]
コチュジャン、しょうゆ、豆板醤、食塩、にんにく、ごま油、赤唐辛子、調味料(アミノ酸)、増粘剤(キサンタン)、(原材料の一部に小麦を含む)
販促物
★★★
HPでは商品説明だけでなく、原材料・アレルゲン・売り場・オススメ料理情報も楽しめる。
できれば原材料へのこだわりや薀蓄を入れてくれるともっと読み応えのあるものになると思う。
ミツカン
キムチ鍋つゆ

(10g4.6円)
参考小売価格
757g 350円

29.3点 味覚
あまりに酸っぱくてびっくり!原材料の上位に醸造酢が入っている。旨みが感じられず、煮込んでも酸味が飛ばない。
作り方
★★★
@ABが色分けされてイラストと作り方がシンプルに表示されている。@の「本品をよくふります。」は簡潔だが鍋つゆには大切な説明。
[原材料名]
アミノ酸液、果糖ぶどう糖液糖、みそ、食塩、にんにく、砂糖、醸造酢、魚醤(魚介類)、唐辛子、ラージャン、コチュジャン、鶏脂、ごま油、たん白加水分解物、煮干し粉末、酵母エキス、調味料(アミノ酸等)、パプリカ色素、増粘剤(キサンタンガム)、酸味料
販促物
★★★
HPは別メニュー・写真・容量・栄養成分値まで、しっかりとした中身になっている。
商品を使ったメニューを50音順・カロリー順・調理時間順に並べ替えられるようになっているのはおもしろい試み。

ヤマキ キムチ鍋つゆ
キムチ鍋には、煮干しを入れる事で、煮干しのイノシン酸とキムチのアミノ酸の相乗効果で美味しさが高まるため、本場韓国ではよく使われている。原材料の中にそれらが入っているのはヤマキとミツカンだった。ミツカンは味覚の評価があまりに低くかったため、”本物らしい”キムチ鍋つゆかどうかをじっくりみるために、ヤマキキムチ鍋つゆを取り上げた。
試食方法
パッケージに記載されている通りに材料を揃え試食。
評価項目 評価内容 評価点数
パッケージ デザイン
材質
形態
赤を基調とし、縁取りのデザインや、キムチ鍋つゆの文字背景になっている金の柄等の華美なデザインは、韓国らしさが出ている。 
辛さレベルの表示があり、4段階の中で2番目に辛い”本格辛口”らしい。
ダイショーは”ピリ辛”、ミツカンは”3つの辛さ””キレのある辛さ”などと書かれている。他メーカーとの比較が出来ないので参考になりそうでいて曖昧。結局食べてみない限り、辛さレベルはわからない。

10
大きさ
内容量
3〜4人前なので妥当な量。でも、700gもある。鍋材料の白菜などを一緒に買ったらとても重くなる。濃縮タイプのレトルトパックが一般的にならないかしら?と50代の主婦の声もあり。
10
価格 キムチ鍋のベースが出来るので、300円は値頃感あり。
10
原材料

製法
製品特徴 栄養成分表がない。味覚の評価で塩辛いという人が多かったので、問い合わせたところ、一袋中に塩分相当量は17・5gとの事。ダイショーは14.4g。ミツカンは25.9g。ヤマキは味覚の評価の印象ほどには、塩分が多くないのだから、パッケージに表示したらいいのに。
10
味覚の
特徴
初めはあっさりの中に塩味を強く感じる。鍋料理は、調理しながら食べ進んで行くので徐々に具材の牡蠣や豚肉やきのこから出る旨みで、味に幅が出てくる。甘ったるいキムチ鍋つゆが多い中で塩分が効いていて斬新だが、味覚については年齢層や家族の好みによって、評価が分かれた。
10
作り方の
内容
どのメーカーの商品にも、キムチ鍋ならではの肝心の”キムチ”が材料例に入っていない。これでキムチ鍋って言っていいの?と疑問に思いヤマキお客様相談室ににお尋ねした。『日本では鍋材料に必ず生の白菜を入れるのでそれに味付けをする鍋つゆを作りました。厳密には「キムチ味風鍋」と言う事になります』とのお返事だった。韓国のキムチチゲと日本化されたキムチ鍋は別物だった。お漬物市場には白菜のピリ辛漬けとしか呼べないようなキムチが溢れている。本物のキムチが無いところに、本物のキムチ鍋が無いのは仕方がないの!?
10
原材料の
内容
たん白加水分解物が2番目に来ている。ほぼこれで旨みをごまかしてしまっているように思える。韓国の食文化に忠実に、ビーフエキスと煮干し粉というだしが入っているのに残念。

ダイショーキムチ鍋スープには、わざわざ目立つように「保存料無添加」と記載されている。加圧加熱殺菌するレトルト食品には保存料は必要無いはず。それをあえて保存料無添加なんて・・・。ウソではないだろうが消費者にとって紛らわしい。他に自慢するところがないからかしら?

10
販促物 韓 福善さんのプロフィールが強調されている。でも、韓国宮中料理伝承者だからといっても、イメージだけで説得力に欠ける。レストランや料理学校の運営など第一線で活躍しているというなら、せめてお店の紹介ぐらいはして欲しい。
10
総評 「キムチ鍋つゆ」「キムチ鍋スープ」という商品を食べているのに、どのメーカーの材料例にも白菜やきのこ類の記載はあるけれど、キムチが入っていない。サーベイメイトのアンケートの中に「キムチ鍋を作る時には、まずキムチを炒める事から始める」という回答があった。本場韓国のキムチチゲも最初にキムチを炒めてからその鍋に材料を加えて作るそうだ。
キムチを炒めてから作る方法で再度試食してみた。本物のキムチを炒める事で、「ヤマキキムチ鍋つゆ」の原材料に入っている煮干し粉末と材料例の牡蠣・豚肉の旨み・コク・香りがびっくりする程美味しくなる組み合わせの効果があった。せっかく韓国宮中料理伝承者が監修されて“本格的”をアピールしている商品なのだから、こういう美味しくなる本来の作り方を正しく日本に伝えてもらいたい。
 キムチ鍋つゆに限らず、どのストレートタイプの鍋つゆも、商品パッケージの面積が広い。裏面には材料例が書かれてあり、店頭で材料を買い揃える時に便利。しかし、その材料例は、本当に各々のつゆに合う素材なのだろうか?概ね日本の鍋素材はこんな物と決めつけてから、つゆを作っているのではないだろうか。各々のつゆに合う材料や作り方をきちんと書いてくれてこそ、本物のマーチャンダイジングが出来ている商品と言えるのではないか。
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担当 伯井

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